実績:太田工作株式会社様
公開日:2022年8月23日

高品質・短納期・低コスト化を求め選ばれた、
FileMakerにより構築された大型ERPシステム

太田工作(株)様のシステムを開発いたしました。生産と販売を管理するERPシステムであり、現場とシステムはiPadとQRカンバンによって連携しています。受注書を起点として各種帳票を作成していくため、受注から納品、請求まで一貫して管理ができます。
太田工作(株)様が追及し続けている「高品質、短納期、低コスト化」を実現するためのシステムの一つとして納品させていただきました。

ERPシステムとは?

Enterprise Resource Planning(企業資源計画)の頭文字であり、単にERPと呼ばれることもあります。データベースを利用し、人事、販売・生産、会計などの企業が保有している資源を統合して管理することを目的としたシステムを指します。

──太田工作株式会社様について

太田工作(株)様は、静岡県藤枝市に本社を構える加工会社です。主に長尺加工、溶接といったマシニング加工や板金加工を行っています。1990年代に製造現場のコンピュータ化を開始し、今も「高品質・短納期・低コスト化」を追及して製造現場での仕事の流れを研究し続けていらっしゃいます。

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──環境

使用するソフトウェア

使用するハードウェア

──システムの概要

見積、受注から納品、請求までを行うシステムです。外注部品が存在するため、自社の発注・買掛、支払管理も行う機能も搭載しております。

マスタデータの登録は得意先や納品先だけではなく、実際に現場で稼働している機械や作業工程なども入力しておくことができます。特に製品マスタでは基本的な情報だけではなく、その製品を制作するために必要な工程や数量ごとの販売単価、材料と部品の一覧など細かい情報を入力しておくことが可能です。

──見積と受注

まずは見積書または受注書を作成します。見積書と受注書は互いに連携することができ、片方からもう片方の帳票を作成することが可能です。


■見積

見積書ではシステム上に仔細な情報を入力できる他、お客様にお渡しする帳票の印刷も可能です。

入力項目が多く、工程や材料を非常に詳しく設定できます。こちらは太田工作(株)様の「機械の前で考え込まないよう手順・工程を共有する」というコンセプトを実現するためのものです。また、受注書にも同じ項目が設けられているため、入力したデータを引き継いで生かすことができます。


■受注

受注データは取引先ごとに様々な方法で送られてきます。EDI(電子データ交換)で受け取ることもあれば、電話などEDI以外の方法で受注することもあります。

それぞれの取引先に対応するために、こちらのシステムでは受注データの作成はEDI取込以外に手入力もできるようにいたしました。データ取込・入力後は様式が揃うため、元が異なる様式の受注データであっても一元管理できます。


このシステムでは実際に製品の製造を行う前に「カンバン」を印刷します。工程毎に一枚のカンバンを用意します。カンバンには作業の工程や使用する機械、製品識別のためのQRコードが印刷されています。

その他にも様々な様式でデータを印刷可能で、その中には製品の図面も含まれます。太田工作(株)様は一品一葉(一枚の用紙にその製品で使用するすべての図面を記載する)形式の図面を採用されているため、受注データの製品情報を見て製品マスタに登録された図面を印刷するという形にいたしました。

▲カンバンを印刷します。製造時にiPadで読み取るためのQRコードが特徴です。

▲一覧画面から様々な帳票・図面を印刷できます。

──iPadからデータ送信&進捗管理

実際に製品を製造する際、現場からのデータの送信にはiPadを使用します。

カンバンに印刷されたQRコードを読み取ると、カンバンに対応した製品のデータにすぐアクセスできます。作業員はその製品に対してどのくらいの時間作業をしたか、どの程度完成したかなどをiPadを用いて記録していきます。

▲QRコードの読み取りのほか、手動でも受注情報にアクセスできます。

作業状況は受注詳細画面から確認ができ、作業工程ごとに開始前・作業中・完了の表示がされます。表示はリアルタイムに更新されるため、大まかな状況把握に役立ちます。

▲iPadでの操作により、受注詳細画面の「状況」欄が変わります。

──納品と請求

■納品

受注明細一覧画面から納品書を作成します。納品日を指定して「納品書作成」ボタンを押すと、表示中の帳票の中から納品書が発行可能なものをシステムが検索して処理が実行されるようになっています。納品段階まで進んでいる受注データの洗い出しや複数の帳票の合算、転記といった時間がかかりミスが起こりやすい部分をシステムに任せるため、作業員が製造に集中することができます。


■請求

納品書を基に締め処理を行い、請求書を発行します。納品書を作成する場合と同様に、指定した締日によって締め請求書に記載する帳票が選択・集計されます。


また、締め請求書ごとに入金を記録することができ、請求書を入金の有無で絞り込み表示することも可能です。前回請求分の金額や繰越金額の自動計算も行っております。

──発注と買掛

受注した製品に使用する部品などの発注から買掛・支払までを記録しておくことができます。

発注書は受注書を基にして作成する、もしくは手入力で作成するようになっています。買掛伝票も締め処理を行い作成する形式のため、納品・請求と同じ操作感で使用できるようにレイアウトに統一感を持たせました。

──マスタ

受注書を基にカンバンや図面等を自動で検索して印刷する、製品番号を入力したら使用する材料や作業工程まで自動でセットする……このような短納期の実現に助力する機能は、マスタの準備を万端にしているからこそ動作します。

こちらのシステムは自社情報や機械、工具など多数のマスタを有しますが、ここでは代表して製品マスタについて紹介します。

最も詳細な設定ができるマスタのひとつであり、見積・受注から製造まで大きく関わってくる項目です。

▲マスタでは各種項目を細かく設定できます。

画面中ほどのボタンにて表示を切り替え、様々なデータを入力できます。項目が多いながらも入力に煩雑さを感じないように、工程、部品、工具、単価など、カテゴリーごとにまとまって表示されるようにデザインいたしました。


工程マスタや部品マスタにはそれぞれの単価を設定でき、工具マスタでは型番や置き場所を管理できるなど、他のマスタも必要な機能だけではなく痒いところに手が届く機能を選んで搭載しています。




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Claris、FileMaker、およびファイルメーカーは、Claris International Inc. の米国および/またはその他の国における登録商標です。

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